AI Publisher開発物語 第6話 話しすぎた一本の記事
音声で実体験を伝えるという方法は見つかった。しかし、それを安定して続けるための仕組みは、まだ手探りのままだった。
今回の目標:実体験を引き出す流れを、仕組みとして固める

その場の思いつきで話すだけでは、毎回同じ質にはならない。今回の目標は、実体験を安定して引き出すための、繰り返し使える流れを作ることだった。
なぜ仕組み化が必要だったか

音声で話すこと自体はうまくいっていた。しかし、何を話すかを毎回自分で考えるのは、地味に負担が大きい。話す内容がその日の気分に左右されてしまうと、記事の質にもばらつきが出てしまう。安定した質を保つには、話す内容を自分だけで決めるのではなく、何らかの型が必要だと感じていた。
実際にやったこと:AIに質問させる形にする

そこで試したのが、自分から一方的に話すのではなく、AIの側から質問を投げかけてもらい、それに答えるという形にすることだった。AIが「これについてどう思いますか」「実際にはどんな経験がありますか」と聞いてくれることで、自分一人では思いつかなかった切り口からも話ができるようになった。答え方は、声で話すこともあれば、文字で答えることもあり、そのときの状況に応じて使い分けていた。
問題発生:話しすぎて、一本に収まらなくなった

この方法はうまくいっているように見えたが、すぐに新しい問題にぶつかった。質問されると、ついいろいろなことを話したくなってしまう。ひとつの話題から派生して、あれもこれもと話しているうちに、気づけば大量の内容を話していた。
その結果、出来上がる記事に、話した内容が全部詰め込まれてしまうという事態が起きた。ひとつの記事のはずが、いくつもの話題が混ざり合い、読んでいて何が言いたいのか分かりにくいものになってしまっていた。せっかく実体験を引き出せているのに、それを一本にまとめようとすることで、逆に伝わりにくくなってしまうという、皮肉な結果だった。
対策:会話を小分けにする

この問題に対する答えは、意外とシンプルだった。一度にたくさん話すのをやめて、会話そのものを小分けにすることにしたのだ。ひとつのテーマについて話したら、そこで一区切りとし、別の話題は別の機会に話す。そうすることで、ひとつの記事にひとつの経験、ひとつの気づきがきちんと収まるようになった。
話す量を減らしたわけではない。話す内容を分割して、それぞれを独立した素材として扱うようにしただけだ。この工夫によって、記事ごとの焦点がはっきりし、読みやすさも大きく改善した。
今回学んだこと
この経験から学んだのは、「情報は多ければ良いというものではない」ということだった。実体験をたくさん話せることは価値があるが、それを一本の記事に無理に詰め込んでしまうと、かえって価値が薄まってしまう。ひとつの記事にはひとつの芯を通す。この考え方は、後の記事作成全体の基本方針になっていった。
次回への課題
実体験を引き出し、小分けにして扱うという流れは固まった。次の課題は、こうして集まった実体験の素材を、どうやって記事の形に仕上げていくか、その具体的な工程についてだ。次回は、その工夫について書いていきたい。
