昨日できたことが、今日はできない。ChatGPTを仕事で使って初めて知ったAIの現実
これも、ChatGPTを批判するための記事ではない。毎日仕事でChatGPTを使い続けているからこそ見えてきた、生成AIの正直な現実についての記録だ。
AI PublisherやAI動画撮影チームの開発では、ChatGPTにGoogle Driveへのフォルダ作成を任せる場面が日常的にある。これまで何の問題もなく、当たり前のようにできていた作業だ。ところが、ある日を境に、それが突然できなくなった。
昨日まで普通にできていたのに

最初は、単なる一時的な不具合だろうと思った。もう一度試せば動くはずだ。しかし、何度試しても結果は同じだった。Google Driveの接続をやり直し、権限の設定も確認した。それでも、期待していた結果にはたどり着かなかった。昨日まで、何十回、何百回と問題なくこなしてきた作業が、今日は同じ手順を踏んでも、まったく同じようには動いてくれない。この事実に直面したとき、率直に戸惑いを覚えた。
「なぜ昨日できたことが今日はできないのか」と聞いてみた

原因を探るため、私はChatGPT自身に、そのまま疑問をぶつけてみた。「なぜ昨日できたことが今日はできないのか」。返ってきた答えは、ひとつの原因に絞り込めるものではなかった。OpenAI側の仕様変更、Google側の権限設定の変化、外部ツールとの連携状況、実行環境の違い、あるいは一時的な障害。考えられる要因は、いくつも並んだ。
つまり、はっきりした答えはなく、「昨日成功した方法が、今日も成功する保証はない」ということだけが、確かな事実として残った。
生成AIは、毎日同じ状態ではない

この経験から見えてきたのは、生成AIというものが、思っているよりもずっと「生き物のような」存在だということだった。AI本体の性能そのものは大きく変わっていないように見えても、それを取り巻く外部ツールとの連携、実行される環境、裏側で行われている仕様の調整。こうした周辺の条件が変わるだけで、表面上の挙動はいくらでも変化してしまう。
これはChatGPTだけに限った話ではないはずだ。Claudeを含め、現在の生成AI全般に、多かれ少なかれ同じ性質があると考えるのが自然だろう。AI本体だけを見て「賢い、賢くない」と判断するのではなく、それを動かしている周辺環境まで含めて、ひとつのシステムとして捉える必要があるのだと思う。
「昨日できたから、明日もできる」は危険な前提

業務にAIを組み込もうとするとき、多くの人が無意識に前提としてしまうのが、「一度うまくいった方法は、これからもずっとうまくいく」という考え方だ。しかし、今回の経験は、その前提そのものが危ういことを教えてくれた。AIは日々進化もするが、同時に、仕様変更や環境の変化によって、一時的にできていたことができなくなることもある。この両面を、あらかじめ織り込んでおく必要がある。
では、解決策はあるのか

正直に言えば、この問題に対する完全な解決策は、今のところ存在しない。裏側で何が変わったのかを、利用者の立場から完全に把握することはできないからだ。
しかし、だからといって「AIは使い物にならない」と結論づけるのは、あまりに早計だと思う。今の時点でとれる、現実的な向き合い方はある。AIにすべてを丸投げしないこと。今どこまで進んでいるかという状態管理を、人間の側がきちんと担うこと。ひとつの工程が終わるたびに、本当に完了しているかを確認する習慣を持つこと。そして何より、AIは毎日同じではないという前提のもとに、仕組み全体を設計しておくこと。この4つの姿勢が、今の生成AIと長く付き合っていくための、現実的な土台になると感じている。
AIは完璧ではない、それでも

昨日できたことが今日できない。この事実は、正直なところ何度経験しても慣れるものではない。それでも、この不安定さを人間側が理解し、確認と管理という役割を引き受けることで、AIとの仕事は着実に前へ進んでいく。
AIは完璧ではない。しかし、その特性を理解し、人間が判断・確認・状態管理を担当することで、AIは非常に優秀な仕事のパートナーになる。
