AI部長が突然、自分の会社を知らないと言い出した|AI-BUSINESS-OS実践記録【第10話】
2026年10月12日、Claude Code上で動くAI部長のORIONが、突然「ブログ担当が分からない」「オリオンについて情報がない」と回答しました。社長である私が運用している組織について、取りまとめ役のAI自身が答えられなくなったのです。
先に結果を書くと、データは消えていませんでした。今回の調査報告では、いつもと違うフォルダで起動したため、別の空のメモリを参照していたことが原因とされています。正しいプロジェクトで起動し直すと、組織情報や報告、台帳を読み出せました。
ただ、その過程には、AIに仕事を任せるうえで考えさせられる点がありました。
目の前にORIONがいるのに、会社を知らない

私たちの組織は、人間の社長である私、AI部長のORION、専門AI社員6名で構成されています。担当はSNS、ブログ、YouTube、営業・顧客支援、経理、投資です。
そのブログ担当について質問すると、メモリを確認したものの記録がなく、今の時点では分からないという回答でした。続けて組織の人数を聞いても、オリオンという組織の情報を持っていないと言われました。
画面の上にはORIONの司令室が表示されています。それなのに、下のターミナルでは会社を知らないと言っている。この食い違いに戸惑いました。ブログ担当の役割定義も、これまでの成果物もあるはずだったからです。
消えたのではなく、違うメモリを見ていました

調査報告では、このセッションはプロジェクトそのものではなく、親にあたるデスクトップのフォルダで起動していました。
今回確認された環境では、従来のプロジェクトに紐づくメモリと、今回の起動場所に紐づくメモリが分かれていました。前者には情報が残り、後者は空でした。
同じAI部長に話しかけているつもりでも、参照していた記憶の場所が違っていたのです。今回の「知らない」という回答は、データ消失によるものではありませんでした。
この説明は、今回の調査報告に基づくものです。あらゆる環境やすべての不具合を、同じ原因で説明できるという意味ではありません。
メモリにないことと、情報がないことは違います
もう一つ気になったのは、最初の確認範囲です。最初はメモリしか調べず、情報がないと答えていました。
しかし、プロジェクトの設定ファイルであるCLAUDE.md、担当定義、成果物まで調べると、組織やブログ担当の情報が見つかりました。
「今見た場所にはなかった」と「どこにも存在しない」は違います。社長として、AIの回答だけで判断せず、何を確認した結果なのかまで確かめる必要があると感じました。
正しいフォルダで、情報を読み出せました

エディターでAI Business OSのプロジェクト自体を開き、新しいターミナルから正しいフォルダで起動し直しました。
その後の画面では、人間の社長、AI部長ORION、6名の専門担当という組織構成を確認できました。保存済みの最新報告や業務台帳も読み出せました。
ここで確認できたのは、必要な情報を参照できる状態に戻ったことです。すべての業務や外部サービスとの接続まで直ったわけではありません。
今回の対処としては有効でしたが、起動場所を自動で確認する仕組みまで導入できたという報告ではありません。
担当への委任と、報告を残す流れも確認

起動し直した後は、担当エージェントへ調査を委任し、担当から返ってきた報告をORIONが取りまとめる流れも確認できました。報告をファイルとして保存し、関連する記録から参照できる形にすることも確認しています。
会話の中で答えを受け取るだけでなく、あとから仕事の経緯をたどれることが大切です。今回のように参照先がずれたときにも、保存された定義や報告が確認の手がかりになります。
ただし、一連の確認だけで、すべての業務が継続して問題なく動くことまで検証できたわけではありません。今回確認できた範囲を、そのまま記録しています。
実施した対策と、これからの提案を分けます
今回確認できた対策は、正しいプロジェクトフォルダで起動する運用と、報告のファイル保存・相互参照です。
一方、専用ショートカット、起動時の確認や警告、メモリに情報がない場合に設定ファイルや担当定義まで探す検索ルールの追加は、提案段階です。実装されたことまでは確認できていません。
AI部長が会社を知らないと言い出したとき、最初は戸惑いました。しかし、調べると情報は残っていました。どこから起動し、何を参照し、どこまで調べたか。その違いが回答に表れていました。
社長として整えていきたいのは、AIに必要な情報が届き、担当の仕事が記録として残り、あとから確認できる環境です。復旧したこと、未解決のこと、これから試すことを分けて、今回の実践記録として残しておきます。
